(台北中央社)韓国の尹錫悦大統領が3日夜に「非常戒厳」を宣言したのを受けて与党・民進党立法院党団(議員団)がSNSに投稿した内容を巡り、「戒厳を支持するものだ」として非難が噴出している。同党団は4日、「戒厳を支持する意図は決してない」と強調した。
民進党はSNSに「韓国国会は親北朝鮮勢力に操られ、韓国の尹錫悦大統領は自由憲政体制を守るために全国の戒厳を緊急に宣言した」とつづり、立法院(国会)で野党の国民党と民衆党が推し進めるさまざまな案を列挙した上で「(われわれは)世界レベルの暗黒悪勢力の侵食に抵抗している」などと投稿した。投稿は後に削除された。
国民党党団は4日、立法院で記者会見を開き、「民進党は尹氏の戒厳令に同調している」と指摘。民進党主席(党首)を兼務する頼清徳(らいせいとく)総統に謝罪を要求した。
民衆党は同日、声明を通じ、「韓国に民主主義の危機が訪れた時に与党の民進党立法院党団はあろうことか投稿で同調した。この行いはやっとのことで構築された民主主義の精神を踏みにじるものだ」と批判した。
反発を受け、民進党党団は同日、立法院で記者会見を開いた。党団の呉思瑤幹事長は韓国の戒厳令について、他国の内政であるため、状況が不明な中では社会の誤解や過度の誇張、ひいては対立や攻撃を引き起こすことは避けるべきだとし、「党団の投稿は即座に削除し、取り下げた。これこそが民進党団の正式な立場を示すものだ」と述べた。
また「民主主義は決して後戻りしない。民主主義の問題は民主主義で解決する」と強調。民進党が一貫して権威主義に対抗してきたことに触れ、戒厳を支持することは「ありえない」と述べた。