(台北中央社)レバノンで17日に起きたポケベル型通信機器の相次ぐ爆発で、爆発した機器が台湾製だと報じられたのを巡り、行政院(内閣)は19日、「台湾が輸出したポケベルに爆発の問題はない」とコメントし、司法調査を進めていると明らかにした。
イスラム教シーア派組織ヒズボラのメンバーらが使う通信機器が相次いで爆発したことを巡り、一部海外メディアはレバノンの治安当局者や米当局者の話として、通信機器はヒズボラが台湾企業「ゴールド・アポロ」(金阿波羅)に注文したものだと報じた。同社は18日、爆発した機器はハンガリー企業「BAC CONSULTING KFT」が製造、販売したもので、ゴールド・アポロは商標利用を許可しただけだとの声明を出した。台湾士林地方検察署の検察官は19日、法務部(法務省)調査局を指揮し、同社責任者らを事情聴取した。
行政院の李慧芝(りけいし)報道官は行政院院会(閣議)後の記者会見で、レバノンでの通信機器爆発について答えた。李氏は、爆発した通信機器の同型機種は台湾からレバノンには直接輸出されていないと説明。2022年から今年8月までにゴールド・アポロ社が輸出したポケベル26万台の主な輸出先は欧米諸国であり、関連製品には爆発によって死をもたらす可能性はないとし、メディアで報じられた爆発の問題もないと述べた。
また、爆発に台湾政府が関係しているとインターネット上で取り沙汰されたことに触れ、これらの言論が域外からの政治的操作による攻撃だとみられることが安全保障関連部門の調査で分かったと説明。悪意を持って爆発と台湾を結び付けているが、これは事実ではないと強調し、偽情報への注意を呼びかけた。