(台北中央社)立憲民主党の野田佳彦元首相は21日、台北市内で中央社の取材に応じ、台湾海峡問題や東アジア情勢について、米国のみならず国際社会に理解してもらうことが抑止力になるとし、「日本が熱心に(台湾海峡の平和と安定の重要性などのメッセージを)発信することが大事だ」と述べた。
野田元首相は外交部(外務省)などが主催した国際フォーラムに出席するため、同党の手塚仁雄、伊藤俊輔両衆院議員らと訪台した。
野田首相は両岸(台湾と中国)の緊張が高まっていることに関して「危機感を共有している」と指摘。2021年の日米首脳共同声明や同年の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で台湾海峡の平和と安定の重要性や両岸問題の平和的な解決を促す内容が盛り込まれたことなどに触れた上で、「力による現状変更は駄目だ」とするメッセージを「常に発信することが大事だ」と語った。
日台間の交流強化については、双方の窓口機関がさまざまな分野で多くの取り決めを結んでいるとし、「実務的なことをしっかりとやり遂げることが大事なのではないか」と述べた。
(齊藤啓介)