(台北中央社)香港で2020年の立法会(議会)選挙に先立ち実施された予備選を巡り、民主派45人が香港国家安全維持法(国安法)違反に問われた事件で、香港の高等法院(高裁)は19日、禁錮4年2月~10年の判決を言い渡した。台湾在住の香港人らは20日、台北市内で会見を開き、国際社会に対し、香港政府や裁判官などへの制裁を呼びかけるなどした。
2019年に起きた大規模反政府デモに参加した赴湯さんは、香港民主主義の基礎はこれまでにない侵食と破壊を受けたと指摘。「今回の判決は量刑を言い渡された彼らだけでなく、かつて投票に行ったわれわれに対してのものでもある」との認識を示した。
在台香港人らがつくる団体、香港辺城青年の馮詔天秘書長は、香港政府は国安法で私たちを怖がらせ、声を上げさせないようにしているとしながらも、今後も香港を注視し続けると強調。また香港の経験が台湾に注意を促すことを望むとし、必ず努力して民主主義を守らなければならないと述べた。
香港から台湾に拠点を移した「銅鑼湾書店」の林栄基店長は、中国は対価を惜しまず、何のメリットもなく、統一の目的だけのために香港を破壊したと語り、次は台湾に手を出すかもしれないと警鐘を鳴らした。
シンクタンク「経済民主連合智庫」を取りまとめる頼中強さんは今回の判決について、一国二制度は完全なるでたらめだったことを台湾に伝えたと主張。50年間変わらないとされていた状況は「27年間で何もかも変わってしまった」とし、立法委員(国会議員)は超党派で立ち上がり、決議文の形で今回の量刑言い渡しに対して声を上げるべきだと語った。