(台北中央社)台湾を訪問している自民党青年局の代表団は6日、台北市内で記者会見を行った。鈴木憲和局長代理は「日本にとって台湾は大切な友人」とし、多数の中国軍機が台湾の防空識別圏(ADIZ)へ頻繁に進入していることについて「自分のこととして認識しなければいけないという危機感を持っている」と語った。
代表団は3~7日の日程で訪台。これまでに蔡英文(さいえいぶん)総統ら政府要人と面会した他、李登輝元総統の墓所で献花するなどした。
鈴木局長代理はあいさつの中で、新型コロナウイルスの影響で往来が減少する中、日本が台湾にワクチンを供与し、台湾からはマスクが贈られたことなどに触れ、「国民と国民との間には日台関係が着実に深まっているのを実感した」と述べた。
また国際情勢の厳しさが増す中、訪台を通じて日台間で「力による現状変更は絶対に認めてはいけないという強いメッセージを共有することが重要だ」と強調した。
台湾海峡の平和と安定については、「アジア太平洋地域にとって重要なこと」と指摘。訪台を通じて受け取った認識や課題を日本で議論をし、実質的な協力につなげる考えを示した。
鈴木隼人議員は、中国共産党が動画アプリを使った偽情報工作などの情報戦を行っていることに対して、日本では事業者の自主規制による対応の他、政治だけでなくメディアや民間を含めて全体的に議論しながら解決策を模索しなければならないとの見方を示した。
また日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会の大橋光夫会長が今年2月に「台日経済パートナーシップ委員会(EPC)」の再開を呼び掛けたことについては、「経済分野においても対話を深め、関係を発展させることは極めて重要」として期待を寄せた。