今年1月中旬、南部・台南市で治療を経て野生復帰した希少種のクロツラヘラサギが18日、再び同市に飛来し元気に採食している姿が、当初救助に当たったボランティアによって確認された。「まるで旧友と再会したようだ」と救助者は喜びを語った。
同市生態保育学会の邱仁武理事長によれば、今年1月7日、同学会の黄永豊副総幹事らが台南学甲湿地生態園区で鳥類調査を行った際、ボツリヌス菌による感染で動けなくなっているクロツラヘラサギを1羽発見した。十数日の治療を受け回復したため、同19日に同湿地で放鳥された。
今月18日、北門区の塩田付近で鳥類調査を行っている黄さんが、体には発信機が、足には個体識別用の足環がついている1羽のクロツラヘラサギに気づき、確認したところ、年初に助けたのと同じ個体であることが分かった。
「塩田近くでしばらく餌を探していた。しかも一度は自身の車の方に近づいてきた。越冬のため、再び台南に飛んでくるのを目の当たりにできて親しみを感じた」
クロツラヘラサギは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで、近い将来、野生での絶滅の危険性が高い「絶滅危機(EN)」に指定されている。