(新北、台北中央社)恋愛小説家として知られる作家の瓊瑤(けいよう、本名=陳喆)さんが4日、北部・新北市淡水の自宅で死去した。86歳。自ら命を絶っているところを発見された。瓊瑤さんの小説の多くが映画化やドラマ化され、メロドラマブームを巻き起こした。
1938年、中国・成都生まれ。49年に両親と共に台湾に移り、16歳で最初の短編小説を雑誌に発表した。24歳で初の長編小説「窓外」を完成させ、生涯で60作余りの小説を出版した。64年に「婉君表妹」や「啞女情深」が映画化されると、「瓊瑤映画」ブームに火が付き、70年代には瓊瑤映画によってブリジット・リン(林青霞)ら数多くのスターを生み出した。
80年代にはドラマ化もされるようになり、98年に放送された「還珠格格」(還珠姫~プリンセスのつくりかた~)は台湾だけでなく、華人圏全体で大きな人気を博した。
瓊瑤さんのフェイスブックには4日午後、瓊瑤さんの最後の作品「当雪花飄落」とその朗読動画、メッセージが代理人によって投稿された。メッセージの中で瓊瑤さんは「年を取れば苦しい『衰弱、退化、病気、入退院、治療、不治』の時間を過ごさなければならない」とし、人工呼吸器で生命を維持したり、寝たきりになったりする人を見てきたことに触れて「あんな『死』は嫌だ」と自身の思いをつづった。また「私の『死』の方法は生命の終点で行うものだ」と強調し、若者に対し、「軽率に命を諦めることは決してしないで」と呼びかけた。