(リマ中央社)ペルー・リマで10日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の関連会合が始まった。14日に閣僚会議、15~16日に首脳会議が開かれる。台湾は環太平洋経済連携協定(TPP)への加入を目指して各国にアピールするほか、大統領選でトランプ前大統領が返り咲きを決めた米国との官僚級会談にも注目が集まる。
TPPは新規加入について①加入希望国・地域がTPPの高水準を満たしている②貿易や投資などに関する実績や約束の順守状況を考慮する③加入国のコンセンサスで意思決定する─との原則を定めている。2021年にTPP加入を申請した台湾にとって、APECは台湾がこれらの原則を満たしていることを伝える絶好の場だと言える。
行政院(内閣)貿易交渉オフィス(経貿談判弁公室)の楊珍妮(ようちんじ)交渉代表は、台湾はすでにグリーン経済や包括的な成長、デジタルトランスフォーメーション(DX)をTPP加入国と共に追い求め、新たな時代の貿易ルールをつくる準備ができていると語る。
同オフィスは、産業協力や技術協力、人的交流などの実質的な往来を強化し、台湾の加入に有利な条件を整えていきたいとしている。
また、反グローバリズムや保護貿易主義を一貫して掲げるトランプ氏の大統領選での勝利は、今後4年間の台米の経済、貿易に変化をもたらす懸念がある。米国との会談では、台米間の新たな貿易協議の枠組み「21世紀の貿易に関する台米イニシアチブ」の継続交渉が重点の一つとなる。
15日からの首脳会談には、頼清徳(らいせいとく)総統に代わって、総統府資政(顧問)の林信義(りんしんぎ)氏が総統特使として出席する。12日まで開催されるビジネス諮問委員会(ABAC)には、パソコン大手、エイサー(宏碁)の陳俊聖(ちんしゅんせい)董事長(会長)や通信大手、台湾モバイル(台湾大哥大)の林之晨(りんししん)総経理(社長)らが代表として参加している。