(台北中央社)小説「台湾漫遊鉄道のふたり」の作者、楊双子さんと作家の古内一絵さんによるトークイベントが28日、紀伊國屋書店新宿本店で実施された。文化部(文化省)が30日、報道資料を出した。
楊さんの著作では初の日本語訳出版で、イベントは同作の刊行を記念して催された。楊さんは台湾の歴史を題材にした作品に力を注いでおり、同作は日本統治時代の台湾が舞台。日本人作家と台湾人通訳として出会った2人の女性が鉄道の旅に出るという物語が描かれた。
帯に推薦文を寄せた古内さんは、台湾の美食が多く登場する他、「読んでいると目の前に台湾の風景が広がるような素晴らしい文章」と称賛した。
楊さんは、影響を受けた日本の漫画として「駅弁ひとり旅」「ゴールデンカムイ」「乙嫁語り」の3作を挙げた。現代人にとって近いようで実はよく理解していない歴史や文化を描く上で非常に参考になったと話した。
作品で描かれている料理は食べられるものはなるべく食べたと楊さん。入手するのが難しい食材は口述資料から味を想像して書いたという。
古内さんは、美食と風景以外に「読み進めていくとそれだけじゃない、とても深いものを描いている」とも語った。