(台東中央社)東部・台東県政府は26日、同県長浜郷沿岸の海域で25日に4頭のザトウクジラを確認したと発表した。ザトウクジラが確認されるのは今年に入って初めてで、1日の確認数としては近年では最も多いとしている。
同郷では24日に民宿を営む市民がザトウクジラ2頭を目撃し、県に連絡していた。これを受け県から嘱託された研究員が25日に陸上からの調査を実施。午前10時ごろ、観光地、八仙洞周辺の砂浜から2頭を確認した。2頭は同じくらいの大きさだった。午後3時半ごろには、八仙洞から南に約20キロほどの堺橋休息区から再び2頭を確認した。この2頭は南へ泳いでいった。
この日は研究員の調査の他に3件の目撃情報が県に寄せられた。県は目撃された時間や場所、写真などを分析し、2組4頭を確認したと判断。研究員が確認した2頭の後に別の2頭が続いており、この2頭は母と子だったとした。
報道陣の取材に応じたクジラ・イルカ専門家の葉建成さんは、直近数年間の記録はいずれも1桁台で、この海域のザトウクジラの数が増えているかどうかは分からないと説明。かつて台湾南東の海域で活発に活動していたザトウクジラが、現在はどのくらいの数になっているのかを明らかにしたいと語った。
葉さんによればこの季節に観測されるのは、沖縄県の海域から繁殖のためにフィリピン北側に向かうザトウクジラだという。
県農業処は、ザトウクジラを目撃した際は連絡するよう呼びかけている。