(台北中央社)台湾が米国から調達する戦闘機F16V(ブロック70)の納入遅れについて、顧立雄(こりつゆう)国防部長(国防相)は3日、米国で年内に10機の組み立てが完了する見通しだとし、順調に進めば、来年にも台湾への引き渡しが始まるとの見方を示した。立法院(国会)外交・国防委員会で述べた。
ブロック70は当初、2023年第4四半期(10~12月)に第1陣が工場から出荷される予定だったが、米国での生産ライン移転やサプライチェーン(供給網)の寸断などの影響で遅れが生じた。国防部(国防省)によれば、米国側は2交代制、1日20時間稼働体制で作業を急いでいる。
顧氏は答弁で、当初の計画通り、来年末までの全66機の引き渡しが完了するかどうかは断言できないとしつつ、年内に10機の組み立てが完了し、続いて試験飛行が実施される予定だと明らかにした。同時期に、年末完成予定の10機を含む計50機の組み立てが進められるとし、国軍は進捗状況を随時把握していくと述べた。
また、同様に納入が遅れている滑空誘導爆弾「AGM154C」については27年から28年にかけて、魚雷「MK48」については26年から28年にかけて全数の引き渡しが完了する見込みだと説明した。
国防部はブロック70の調達に関連し、20年から26年までの7年で計2472億2883万台湾元(約1兆2400億円)の予算を計上している。