(台北中央社)海軍参謀長の邱俊栄中将は16日、台湾初の国産潜水艦試作艦「海鯤」について、各システムの性能改修や喫水線以下の水密試験、水中装備の点検・整備を終えたと明らかにした。現在は海上試験(SAT)の安全性評価を行っており、浮上航行試験で安全性に問題ないことを確認した後、潜水航行試験を実施すると説明した。
海鯤は建造を担う台湾国際造船による試験が進められている。7月3日に3回目の海上試験を終えた後、乾ドックでの検査と整備を実施。9月2日には南部・高雄港91号埠頭(ふとう)に運ばれていた。潜水航行試験が行われるかや11月に海軍へ引き渡されるかどうかに注目が集まっている。
邱中将は、試験の安全性や品質の維持に重点を置き、契約に基づいた監督と指導、進捗(しんちょく)を管理していると強調。2025年度の潜水艦予算が当初より50%凍結されたため、海上試験後に立法院(国会)外交・国防委員会に対して報告を行い、凍結の解除を求めるとした。
今後の潜水航行試験については、水深約50メートルの試験を経て、水深200メートル前後での試験を行い、その後必要な作戦能力評価を実施すると説明した。
また台湾が米国から購入し、今年3月に1号機が完成した新型戦闘機「F16V」(ブロック70)について、空軍司令部計画処長の江元琦少将は、現在統合試験などが進められているとし、空軍は米国側と定例会議を行い、製造ラインの進捗やシステム統合リスク管理の状況を確認すると語った。
一部メディアは10月10日の中華民国国慶日(国家の日)に同機の一部が台湾で引き渡される可能性を伝えたが、憶測に過ぎず事実ではないと否定した。