(基隆中央社)海洋委員会海巡署(海上保安庁)の1000トン級巡視船「花蓮艦」の引き渡し式が8日、台湾国際造船基隆工場(北部・基隆市)で行われた。式典に出席した蕭美琴(しょうびきん)副総統は、海上の防衛線構築は「防衛を単なる約束ではなく、実際の行動にするものだ」とし、今後の巡視船建造計画が時間、質、予算ともに予定通りに進展するよう関係者を激励した。
花蓮艦は台湾が自主建造する1000トン級巡視船の4番艦。台湾国際造船によれば、全長約98.5メートル、幅13.2メートル、満載排水量は2100トン余り。従来の1000トン級巡視船に比べ耐波性が高く、17~21ノットの風でもヘリコプターの離発着を安全に行える。政府系研究機関、国家中山科学研究院(中科院)が開発した遠隔操作式無人銃架「鎮海ロケット弾」システムを搭載する。
蕭氏は、政府が近年、巡視船艇の発展計画に力を入れていることに触れ、今後も造船計画を推進していくと説明。艦隊の能力向上や海域の防衛線の強化を絶えず進めていく姿勢を示した。
海洋委員会の管碧玲主任委員(閣僚)によれば、同艦の命名時期は昨年4月に東部・花蓮が大きな被害を受けた東部沖地震の発生から間もなくの頃だったため、「花蓮」と名付けられた。花蓮の人々が被災後に示した勇気と強靱(きょうじん)性を沿岸防衛の精神とするとの思いが込められたという。
この日、1000トン級巡視船5番艦の命名・進水式も併せて行われ、「澎湖艦」と名付けられた。