(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は21日、安倍晋三元首相の妻の昭恵さんと総統府で面会した。石破茂首相が日米首脳共同声明で、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調したことに感謝を表明し、「安倍氏の理念は石破首相によってさらに一歩全うされている」と述べた。
石破首相は7日、トランプ米大統領と首脳会談を行った。会談後に発表した共同声明で両首脳は台湾海峡の平和と安定を維持することの重要性を強調し、力や威圧によるあらゆる一方的な現状変更の試みに反対した。また、国際機関への台湾の意味ある参加への支持を表明した。
頼氏は、安倍氏が率先して「自由で開かれたインド太平洋」の考え方を提唱し、国際社会に台湾海峡やインド太平洋地域の安定への関心を呼びかけたことに感謝を表明。また、安倍氏の台湾に対する友情や、昭恵さんが安倍氏の理念を引き継ぎ、多くの公の場で台湾海峡の平和への継続的な関心を呼びかけていることなどにも感謝した。昨年12月に昭恵さんがトランプ夫妻の招きで訪米した際に台湾海峡問題で台湾のために声を上げたことは「台湾を非常に感動させた」とも述べた。
頼氏は、権威主義国家の拡張を前に、台湾は日本や米国、欧州連合(EU)など理念の近い国家と引き続き協力し、世界と地域の平和と繁栄のために共に貢献していくとした上で、昭恵さんの努力の下で地域の平和と安定がさらに進展することに期待を寄せた。
昭恵さんは、安倍氏の逝去時、当時副総統だった頼氏が安倍氏の自宅を弔問に訪れたことを振り返り、頼氏の厚い友情や温かい心遣いを一生忘れないと話した。また安倍氏の遺志を継ぎ、台湾と日本のために尽力していく考えを示した。