(台北中央社)中華民国国慶日(国家の日)の祝賀式典が10日、台北市の総統府前で行われ、頼清徳(らいせいとく)総統が演説を行った。頼氏は、総統として、自身の使命は「国家主権を堅持し、侵犯、併呑を容認しないことだ」と訴えた。
頼氏は「中華民国はすでに台湾、澎湖、金門、馬祖に根を下ろしており、中華人民共和国とは互いに隷属しない」と改めて強調。「民主主義、自由はこの土地で育ち、強くなった。中華人民共和国に台湾を代表する権利はない」と主張した。その上で、総統として「私の使命は国家の生存、発展を守り、2300万の台湾の人々を団結させることであり、国家主権を堅持し、侵犯、併呑を容認しないことだ」と強調した。
また「世界の挑戦はまさに台湾の挑戦だ」と指摘。気候変動や感染症、権威主義の拡張に触れ、自身の総統就任後、より強靭(きょうじん)な台湾をつくるために関連の三つの委員会を総統府で立ち上げたと紹介。「台湾には台湾海峡の平和と安定の維持に尽力し、世界の安全と繁栄を成し遂げる決意がある」とした上で、「中国と共に気候変動に対応、感染症を防止し、地域の安全を守り、平和と共栄を追い求め、両岸(台湾と中国)の人々に福祉をもたらしていく意思がある」と述べた。
さらに中国に対し、国際社会の期待に応えて影響力を発揮し、世界と共に努力してロシア・ウクライナ戦争や中東の衝突を終わらせるとともに、台湾と共に国際社会の責任を負い、地域と世界の平和、安全、繁栄に貢献するよう呼びかけた。
この他、分野をまたいだ経済発展の推進や台湾の均衡ある発展の徹底、交通網の安全性向上加速などにも言及し、「民主主義の台湾」をより強くしていく姿勢を示した。
(編集:名切千絵)