(ブリュッセル中央社)世界貿易機関(WTO)が17日開催した対中貿易政策検討(TPR)会合で、台湾の羅昌発(らしょうはつ)駐WTO代表は中国が台湾の農産物に対して一方的に実施している貿易制限措置などの違法、不当行為を批判し、構造的問題の改善や双方の話し合いによる問題解決を中国に呼びかけた。
羅氏は、中国が政治を目的として、科学的根拠ではなくWTO協定に含まれるSPS(衛生と植物防疫のための措置)協定を理由に台湾のパイナップルやマンゴーの輸入を制限していることや、中国に食品を輸出する企業に中国が求めている企業登録の透明性と予測可能性の欠如、中国が台湾に対して行った貿易障壁調査の調査手続きの合理性の欠如と差別的待遇、国内産業に対する多額の補助金などを挙げて中国を批判した。
羅氏は中国に対して構造的問題の改善を促すとともに、台湾として、中国が台湾の農業輸出や食品製造者登録、いわゆる貿易障壁調査などWTOに関連する問題について、2者間の話し合いによって争議を解決することを期待すると述べた。
WTOは貿易量上位4カ国に対し、TPRを通じて3年に1度の審査を行っている。この日の対中TPR会合では、中国が報告を発表した後に各加盟国からの発言を受け付けた。19日には中国が各加盟国からのコメントについて回答する。