(台北中央社)元幹部自衛官らでつくる民間シンクタンク「日本戦略研究フォーラム」は13日、中国による台湾侵攻、いわゆる「台湾有事」を想定したシミュレーションを東京都内で開催した。出席した与党・民進党の郭国文(かくこくぶん)立法委員(国会議員)は中国の対外拡張に備え、台日の海上保安機関が協力する必要性を強調した。
同団体が台湾有事を想定したシミュレーションを実施するのは4回目。14日までの2日間にわたって行われた。今回は、中国が武力攻撃と判断しにくい手法で圧力を加える「グレーゾーン作戦」で脅迫してきた場合に、台湾とその周辺国がどのように対応するべきかに焦点が当てられた。
郭氏と陳冠廷(ちんかんてい)立法委員が招待を受けて出席した。台湾の立法委員が招待されたのは初めて。郭氏は「台湾有事は日本有事、そして日米同盟有事でもある」と述べ、この言葉はスローガンではなく、戦略概念だと言及。日韓間には軍事情報包括保護協定(GSOMIA)がある他、日本とフィリピンとの間でも最近、自衛隊とフィリピン軍の相互往来に関する協定が結ばれたことに触れ、台日間が海上保安機関同士でのMOU(覚書)締結を通じて、中国が設定した防衛ライン「第1列島線」上に位置する国々の防御を強化できればと話した。