(ジュネーブ中央社)世界保健機関(WHO)総会への参加を求めてスイス・ジュネーブを訪問中の邱泰源(きゅうたいげん)衛生福利部長(保健相)は現地時間29日、中央社の単独インタビューに応じた。台湾の国際環境における挑戦は今後さらに厳しいものになる恐れがあるとし、中国が戦略を転換させているためだと述べた。
WHO総会は27日から6月1日までの日程でジュネーブで開催されている。27日には台湾のオブザーバー参加を議題に採用する案が却下され、台湾が総会に参加できない状況は8年連続となった。
台湾は行政院(内閣)や立法院(国会)が訪問団を組んでジュネーブを訪れ、各国の代表との面会や外交パーティーの開催などを行っている。邱氏は政府が外交関係を有する国や理念が近い国と実施したやりとりについて、その数は前回より多く、内容もさらに具体的になったと話した。
一方、国際環境での台湾の挑戦は今後さらに厳しくなるだろうとの考えを示した邱氏。その理由は頼清徳(らいせいとく)総統率いる新政権の発足で中国の台湾に対する非友好度合いが増したからではなく、中国が戦略を変えている最中だからだとした。
以前の中国は比較的強硬な手段を用いていたが、現在は硬さと柔らかさの両方を併せ持っていると言及。例として、ある課題について世界が中国を責めた時、中国は関係各国の関係者を視察に招いて自分たちの良い一面を見せるとし、中国はこのような柔軟な方式で支持を獲得しようとしていると説明した。
邱氏は、中国の戦略転換によって、将来多くの問題や選挙において、中国に反対する勢力が如実にやや弱まり始めることだろうと吐露。政府はこのような状況に気を配り、他国との良い縁をさらに拡大させる必要があると訴えた。