(台北中央社)蔡明彦(さいめいげん)国家安全局長は29日、中国にとって、立法委員(国会議員)や地方議会議員らと全力で接触することが今後の対台湾政策の重点になるとの見解を示した。
立法院(国会)外交・国防委員会での羅美玲(らびれい)立法委員(民進党)への答弁。羅氏は中国から亡命した作家の袁紅氷氏が2月に発表した中国の統一戦線に関する内容に関し、情報の真偽を尋ねた。袁氏は中国の内部情報として、中国の習近平国家主席が最大野党・国民党を利用して統一戦線の目的達成を狙っていると独立系メディアの取材に明らかにした。
蔡氏は、今年1月の総統・立法委員選で台湾の国内政治の生態系と構造に変化が生じたのを受け、中国共産党が未来の対台湾政策について計画、議論していることを同局として把握していると説明。中央や地方の議員、各種協会、宗教・文化団体、商業団体など台湾の各界との交流の強化が重点の一つになっているとし、交流においては対象ごとに対応を変えたり、考え方を同じくする相手とは仲良くし、相反する相手には攻撃したりするといった戦略を採用することで、中国の関連政策や立場に対してさらなる支持を得ようとしているとの見方を示した。
その上で、袁氏の情報に対する同局の見解については、その他の情報とも照らし合わせた上で羅氏に説明すると述べた。