(台北中央社)台湾オペラ「歌仔戯」の名俳優、ヤン・リーホア(楊麗花)さんを主役にしたドキュメンタリー映画が製作されることになった。記者会見が30日開かれた。ヤンさんは「歌仔戯がなければ、ヤン・リーホアはいなかった」と述べ、映画を通じ、台湾の重要な文化資産を次の世代に受け継いでいけるよう、歌仔戯に携わる人々を励せればと願った。
母親が歌仔戯劇団に所属していたこともあり、幼少期からステージに立っていたヤンさんは10代でトップスターに上り詰めた。歌仔戯のテレビ進出に伴い、「食事をしながらヤンさんの歌仔戯を見る」という習慣は台湾人共通の1970年代の記憶になった。89年に自身が製作、主演したテレビ歌仔戯「紅楼夢」は世界各地で人気を博し、英国のエリザベス女王から上演の誘いを受けたこともあるという。
ドキュメンタリーは公共テレビ(公視)と台湾テレビ(台視)、国家映画・視聴文化センター(国家電影及視聴文化中心)が共同で製作する。メガホンを取るツォン・ウェンチェン(曽文珍)監督はヤンさんについて「親しみやすく、非常に努力家。一緒にいると学ぶことが多い」と語る。初めてヤンさんと対面した際はタイムスリップしたような感覚を覚え、「テレビの中から飛び出してきたみたい」だと思ったと笑った。
映画「世紀初恋 楊麗花」は2025年か26年に劇場公開される予定。