台湾東部の主要水産物の一つであるシイラ。台東県成功鎮の新港漁港の特産品だ。だが、海外輸出の減少や内需不振で価格が大幅に下落し、地元議員から関心が寄せられている。
シイラは暖かい海に分布する大型肉食魚。頭がエイリアンのような形をしたため、台湾では「鬼頭刀」と呼ばれる。
新港で水揚げされるシイラは同県総漁獲量の約半分を占める。これまでは海外輸出が主流だったが、近年は国内でも販売されるようになった。同県県議によれば、新港で水揚げされたシイラは約9割が米国に輸出されるが、米国は昨年より台湾からのシイラ輸入を停止した。
加えて国内での需要も低迷していることから、シイラの価格がピーク時の半分以下に落ち込んでいる。これを問題視する同県県議は23日の県議会で饒慶鈴(じょうけいりん)県長に対し、対策として学校給食にシイラの提供を提案。饒氏はシイラの販路拡大に向け、学校や地元の国軍部隊の食事として提供できるよう取り計らうと協力姿勢を示した。