(台北中央社)台湾鉄路(台鉄)は4日、最新の財務情報を公開し、昨年の赤字額が約137億9000万台湾元(約643億5500万円)に達し、過去最高になったことが分かった。5日には取締役会が開かれ、運賃を平均26.8%引き上げる案が可決された。台鉄で運賃値上げが行われるのは、1995年以来、約30年ぶりとなる。
台鉄は昨年12月、同年の赤字額が120億元(約560億円)に達するとの見通しを示していたが、昨年4月に東部海域で起きた地震の影響で営業収入が伸び悩んだことや人件費が上昇したことなどが要因となり、損失が広がった。
運賃は自強号(特急)の場合、台北―中部・台中間では現行の375元(約1700円)から501元(約2300円)に、台北―南部・高雄間では現行の824元(約3800円)から975元(約4500円)に、台北―東部・花蓮間では現行の440元(約2000円)から583元(約2700円)にそれぞれ値上げとなる。
台鉄は運賃の値上げで、年間40億台湾元(約186億円)以上の収入増が見込めるとしている。
陳世凱(ちんせいがい)交通部長(交通相)は、優遇が適用される通勤客や頻繁に利用する人への影響は比較的小さいと説明。交通部(交通省)や行政院(内閣)での審議などを経て、早ければ今年上半期にも値上げを実施する可能性があると語った。