(ワシントン中央社)米ワシントンの連邦議会議事堂で10日、連合国の第2次世界大戦勝利から80周年を記念する催しが、台湾の駐米台北経済文化代表処(大使館に相当)と米国の退役軍人のレガシーを残す非営利団体、アメリカン・ベテランズ・センターによって開かれた。抗日戦争(日中戦争)時に中華民国支援のため結成された米航空義勇隊、フライング・タイガース(飛虎隊)の隊員の遺族にメダルが授与された。
連邦議会には、米国と中華民国(台湾)の軍事協力に直接または間接的に関わった議員が複数いる。父がフライング・タイガースの隊員だったジョー・ウィルソン下院議員(共和党)や、台湾の民主化が進む中で中国共産党が軍事的挑発を行っていた1995~96年に、軍人として台湾海峡に赴いたダン・サリバン上院議員(同)もそのうちの一人だ。
父に代わってメダルを受け取ったウィルソン氏は、米国が第2次大戦中に中国を解放した役割を、中国共産党が抹消しようとしていることは遺憾だと述べた。台湾を強く支持し、常に中国語繁体字の名刺を持ち歩いているウィルソン氏は、台湾が強くなれば衝突が避けられる可能性も高くなるとし、「これこそが、我々が台湾の人々に期待していることだ」と話した。
44年の夏、16歳に満たない若さで太平洋戦線に送られたデーブ・ヨーホーさん(97)も催しに参加した。若い世代に対し歴史を忘れないよう期待しているとした上で「私たちは他人の明日のために昨日を犠牲にしたのだ」と語った。
駐米代表処の兪大㵢(ゆだいらい)代表(大使に相当)は、中国共産党が歴史の書き換えを試みていると指摘。実際に戦った人を忘れることは戦争の英雄に対する不義理であり、亡くなった人々や歴史への不敬でもあると述べた。
兪氏は、共産党は自らが第2次大戦(太平洋戦争)で勝利したと主張しているが、実際に戦場で肩を並べて戦ったのは我々であると言及。人民解放軍はむしろ、朝鮮戦争で米軍と交戦した側だと強調した。