(金門中央社)中国・福建省に近い金門で1939年、抗日戦争中に抗日地下組織のメンバーを日本軍からかくまい、英雄とされる張雲氏の妻、黄心富氏が25日、台北市の国民革命忠烈祠に合祀(ごうし)された。すでに合祀されている張雲氏と合わせ、夫妻で祭られるのは全国初の事例となる。
忠烈祠には辛亥革命や抗日戦争などで国のために犠牲になった志士や兵士らが祭られている。
金門県政府民政処によると、張夫妻は協力して抗日組織のメンバーをかくまったが、その後告発を受け、見せしめとして日本軍に斬首されたという。遺体は現地で埋葬されたとみられるが、現在も見つかっていない。
金門県誌には張夫妻の功績が記されており、張雲氏は1970年に合祀された。黄心富氏は名前の記載がなく合祀されていなかったものの、地元の人の協力で難を逃れた長男の張寄生さんが2023年に陳情を行い、合祀が認められた。
忠烈祠によれば、この日行われた合祀式典は、県・市政府の陳情によって実施された初めてのケースで、一般女性が祭られるのは2人目だという。