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台湾で死刑執行 約5年ぶり=元交際相手の女性とその母親を殺害

2025/01/17 14:07
黄麟凱死刑囚の死刑執行前に台北拘置所の外に集まる市民団体のメンバーら=2025年1月16日、新北市
黄麟凱死刑囚の死刑執行前に台北拘置所の外に集まる市民団体のメンバーら=2025年1月16日、新北市

(台北、ブリュッセル中央社)法務部(法務省)は16日夜、元交際相手の女性とその母親を殺害したとして、強制性交殺人罪などで死刑が確定していた黄麟凱死刑囚の死刑を執行した。台湾で死刑が執行されるのは2020年4月以来、約5年ぶり。頼清徳(らいせいとく)政権下では初となる。

黄死刑囚は、元交際相手の女性から、黄死刑囚が交際中に使い込んだ女性の銀行口座の預金の返還を求められたことに不満を抱き、2013年10月、女性の自宅に侵入。女性の母親の首をロープで絞めて殺害した後、帰宅してきた女性を身動きを取れなくした状態で性的暴行を加え、ロープで絞殺した。台湾高等法院(高裁)は、女性を性的暴行の上で殺害した罪に対して死刑判決を下し、17年7月、最高法院(最高裁)で死刑が確定した。

法務部は同日夜、記者会見を開き、死刑執行を発表した。同部は報道資料で、憲法法廷が昨年9月、死刑制度を条件付きで合憲と判断したことに言及し、黄死刑囚の犯行の残虐性や再審請求などの特別救済手続きが行われていないことなどを執行理由に挙げた。

執行の約1時間前には市民団体が台北拘置所の前に集まり、「死刑執行を停止せよ」などと抗議の声を約1時間にわたって上げ続けた。抗議中にはその他の市民から「家族が殺されてから言ってみろ」と罵声が飛び、市民団体のメンバーが「侮辱を受けた」と現場の警察官に訴える場面もあり、一時緊張が走った。

▽EU、台湾に死刑執行停止を呼びかけ

台湾で死刑が執行されたのを受け、欧州連合(EU)対外行動庁(EEAS)は中部欧州時間16日夜9時半、声明を発表し、台湾に死刑執行の一時停止を求めるとともに、死刑の全面的な廃止に向かうよう呼びかけた。

▽確定死刑囚、36人に

台湾で確定死刑囚は36人になった。死刑確定から25年近くがたっている死刑囚もいる。死刑囚の最高齢は73歳。

(林長順、趙敏雅、田習如/編集:名切千絵)

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