(台北中央社)2024年度外務大臣表彰の表彰式が7日、台北市内で開かれ、同市内で高齢者を対象に日本語と台湾語で文化活動を行う「玉蘭荘」に対し、日本の対台湾窓口機関、日本台湾交流協会台北事務所の片山和之代表(大使に相当)から表彰状が手渡された。日本との友好関係増進に長年にわたり取り組み、貢献したとして表彰された。
玉蘭荘は1989年に日本人宣教師の堀田久子さんが設立。交流協会によれば、戦前戦後に台湾人と婚姻した在台日本人女性や、日本統治時代に日本語教育を受けた台湾人を対象に、日本語によるケアを提供してきた。現在では週に2回、日本語による文化活動を行っているほか、施設とつながりのある教会やコミュニティー、関心を持つ日系企業とも交流し、在台日本人の福祉の向上に貢献しているという。
受賞者を代表してあいさつした黄春生理事長は「外務省の評価を受けられたことを非常に光栄に思っている」と述べた。受賞について「私たちの過去の努力に対する肯定だけでなく、日台友好を称賛するものでもある」とし、今後も特に日本語を話す高齢者へのサービスを続けていくと語った。
片山氏は、玉蘭荘は言語の隔たりによって孤独な生活を送っていた人々に対して安らぎの場を与えたとし、特に台湾に嫁いできた日本人女性にとっては古里を思い出せる貴重な空間だろうとの考えを示した。