(嘉義中央社)台風被害により2009年から一部区間が不通となっている阿里山林業鉄路(林鉄)で28日、7月の全線復旧を前に災害対応訓練が行われた。列車が動力と電力を喪失してトンネル内に止まったと想定し、乗客の避難や機関車の交換を実施するなど、手順を確認した。
林鉄は09年の台風8号や15年の台風21号で被災し、一部区間の不通が続いていたが、7月1日に全線復旧する予定。
林鉄を運営する林業・自然保育署阿里山林業鉄路・文化資産管理処によれば、嘉義(南部・嘉義市)―阿里山(同・嘉義県)間71.6キロのうち8割以上が山地で、48のトンネルがある。トンネル内での災害・事故発生時には、救助や救援で通気性や照明、通信、作業場所、交通の確保などの問題に直面するとし、普段から十分な備えが必要だという。
同処の黄妙修処長は、訓練には各機関の代表や旅行会社関係者、林鉄のボランティアなどを招いて実施したと説明。災害の原因の特定や通報、旅客や負傷者への対応、避難誘導などを行ったとし、長大トンネル内での救援手順を熟知し、被害を最小限に抑え、乗客の安全を守ると語った。