(台北中央社)東部・花蓮県の落石事故で息子を亡くした日本人夫婦が、台湾で道路の維持・管理を行う交通部(交通省)公路総局に「責任を果たしていなかった」などとして賠償を求めた訴訟で、台湾高等法院(高裁)は30日、請求を退けた一審宜蘭地方法院(地裁)判決を変更し、同局に約468万台湾元(約2010万円)の支払いを命じた。
今回の国賠訴訟を起こしたのは、2017年9月に起きた落石事故で息子の寛之さん(当時35歳)を亡くした白井良一さん夫妻だ。寛之さんは現地開催の自転車大会「太魯閣(タロコ)国際ヒルクライム」に出場する予定だったが、大会前にコースを試走していたところ落石に見舞われ、帰らぬ人となった。
一審では地裁が現場付近に「落石注意」の標識があったことなどに触れ、公路総局が責任を果たしていたとした。これに対し、二審判決は同局が落石の恐れがあると知りながら事故を十分防げる具体的な措置を適時に取っておらず、落石防止施設にも欠陥があったと認め、これと寛之さんの事故に因果関係があるとして原告側の逆転勝訴とした。
(余暁涵/編集:羅友辰)