(ワシントン中央社)20日に行われるトランプ次期米大統領の就任式に台湾の代表として参加する与野党の立法委員(国会議員)8人は現地時間19日午後、降り立ったニューヨークから列車でワシントンに到着した。駅で兪大㵢(ゆだいらい)駐米代表(大使に相当)から出迎えられた他、宿泊先のホテルでは集まった在米台湾人からの歓迎を受けた。一方、夜に行われた歓迎レセプションの会場の外では、野党議員に抗議する人々の姿も見られた。
就任式は連邦議会議事堂西側の屋外で行われるのが通例だが、今回は厳しい寒さにより会場が議事堂内に変更となり、議員団は席数の都合で入場できないこととなった。議員団は兪氏から、就任式に参加し得る方法についての説明を受けた。
議員団は韓国瑜(かんこくゆ)立法院長(国会議長)が団長を務める。8人の所属政党は最大野党・国民党が韓氏含め4人、与党・民進党が3人、第2野党・民衆党が1人。ワシントンには4日間滞在し、就任式の他に、連邦議会議員との非公開での面会や米国の対台湾窓口機関、米国在台協会(AIT)本部への訪問などを予定している。
19日夜には、ワシントン台湾同郷連誼会の陳恵青秘書長が複数の在米台湾人団体を集め、韓氏らの歓迎レセプションを開いた。レセプションには国民党の一部議員のみ参加した。
▽在米台湾人約40人が野党議員を非難
歓迎レセプションの会場の外には、韓氏や野党(国民党、民衆党)議員に抗議する在米台湾人約40人が集結。与党が過半数割れした立法院(国会)で、野党による議案の強行採決が行われるなどの混乱が生じていることなどが背景にあり、集まった人々は「台湾を売る立法委員を解任しよう」「立法院長は立法院の混乱の責任を取れ」などの標語を書いた紙を掲げ、立法院を正常な運営に戻すよう訴えた。
抗議に参加したワシントン台湾同郷会の沈芬芷会長は中央社の取材に対し、今月初頭に台湾から米国に戻ったばかりで、台湾にいた期間に「国会が混乱し、憲法をめちゃくちゃにしているのは台湾を滅ぼすに等しい」との考えから反野党デモに複数回参加したと明かし、国会の混乱を再び目にすることがないよう訴えたいと話した。