北東部・宜蘭県南澳郷の砂浜ではこのほど、アオウミガメの上陸が確認された。専門家によれば、北回帰線以北の場所におけるアオウミガメの上陸は珍しく、重要な発見だという。
台湾海洋大学の程一駿名誉教授は中央社の取材に対し、昔の場合、砂浜さえあれば台湾ではどこでも上陸の痕跡を発見できたと指摘。人間活動による生息地の破壊で今、その姿を確認できるのは主に北回帰線の南に位置する離島の澎湖や南部・屏東県、東部・台東県などだと語った。
北回帰線以北の地域については、地元の年寄りからウミガメの目撃情報を聞いたことはあるが、今から数十年前のことだったと話し、自身がウミガメの研究を始めた1992年以降では初めてだとしている。
南澳で発見されたのは甲羅の長さ約1メートル、重さ100キロに達するアオウミガメ。9日午前2時30分ごろ、海に向かって移動しているところが目撃された。
程教授は「気候変動と環境保全意識の高まりで生息地を北部に拡大したのではないか」とその理由を分析。産卵の有無を確認するため、来週、現地を訪れる予定。