(台北中央社)歌手のジェイ・チョウ(周杰倫)が12月初旬に開催する台北ドーム公演のチケットが23日正午、販売開始され、最高で89万人超が一斉に販売サイトに流入した。4公演、計15万枚のチケットは5分以内に完売した。インターネット上には、定価の10倍以上の値段を付けた不正転売チケットも出回っている。所属事務所は、追加公演は開催しないと発表した。
ジェイが台北でコンサートを開催するのは7年ぶり。昨年12月に開業した台北ドームで単独コンサートを開く最初の歌手となる。
所属事務所によると、午後3時の余剰分販売時には3000枚に80万人近くが殺到したという。
インターネット上では多くのファンから「買えなかった」と落胆する声が上がる中、チケット売買サイトやSNSでは高額な転売チケットが数多く販売されている。定価6880台湾元(約3万2400円)のチケットに7万元(約33万円)以上の価格を提示するケースも見受けられた。
蒋万安(しょうばんあん)台北市長は同日、市警察局と文化局は必ずや不正転売業者の取り締まりを強化すると述べた。
台湾では昨年、ダフ屋行為への罰則を新設した改正文化創意産業発展法が立法院(国会)で可決された。チケットを定価または額面を超える価格で転売した場合、額面の最大50倍の過料が科される他、虚偽資料やその他の不正な方法でコンピューターなどの設備を用いてチケットを購入した場合には最長3年の懲役刑が科される。
台北市文化局によれば、不正チケットの検挙があった場合、チケット販売システムや通信、戸籍システムなどによって被検挙者の身分を確認し、事実だと認定すれば過料を科す。検挙者は過料の20%、最大10万元(約48万円)の賞金を受け取ることができる。
文化部(文化省)は不正チケットの検挙サイトを設け、検挙を受け付けている。