出版当時、台湾社会で物議を醸し、後に世界15カ国で翻訳された同名小説を原作とした台湾映画「殺夫」のデジタル修復版が27日に台湾で公開される。41年ぶりにスクリーンに蘇る。
作家の李昂さんの小説「殺夫」は1983年に台湾で出版された。中部・彰化県の鹿港をモデルにした架空の村落を舞台とし、かつて上海で実際に起こった夫殺しの事件をヒントにして物語を創作した。台湾社会における両性の役割と女性の体の自己決定権における抑圧を探り、前衛的な内容から広い議論を巻き起こした。日本では「夫殺し」のタイトルで翻訳出版された他、英国やドイツ、韓国、フランスなどでも翻訳版が出版された。
同名映画はツォン・チュアンシャン(曽荘祥)監督が手掛け、台湾で1984年に公開された。今回、国家映画・視聴文化センター(国家電影及視聴文化中心)がデジタル修復を行い、鮮やかに蘇った。
24日に開かれたPR記者会見に出席した李さんは、41年前の映画公開時には社会の人々が保守的だったため、多くの部分が婉曲的に表現されたとし、映画版が改めて製作され、女性の視点がより多く盛り込まれることを願う気持ちを示した。また、新たな脚本の執筆に向け、リバイバル上映で作品を見た後に良いアイデアが浮かべば教えてほしいと呼びかけた。