東部・台東県では宇宙飛行を経験した種を利用しての赤キヌアが栽培されている。収穫された1代目で、約20グラムのキヌアが24日、国家宇宙センター(国家太空中心、TASA)から同県政府に贈呈された。饒慶鈴(じょうけいりん)台東県長はあいさつで、赤キヌアの関連文化や産業価値を深化させる他、宇宙教育も推進していくとの考えを示した。
同センターによれば、赤キヌアの宇宙飛行は、アジア・太平洋地域の種子を用いた科学実験プログラムの一環。各国・地域から集めたハーブ種子を宇宙飛行させた後、各地に返還し、そこで参加各機関により、教育・研究活動に利用されるというもの。プログラムは日本の宇宙航空研究開発機構、JAXA(ジャクサ)が手掛けた。
同センターは2020年末、農業部(農業省)の前身だった農業委員会や中部・台中市の中興大学と共に、台湾を代表とする種子として赤キヌアやコチョウラン、ピーマン、ヒマワリの種を選出し、国際宇宙ステーション(ISS)の日本の実験棟「きぼう」に送った。
約7カ月ぐらいの宇宙滞在を終えた一部の赤キヌアの種が今年4月に台東県に戻り、県内のオルタナティブ教育を行う実験小学校の生徒たちによって栽培された。9月には約20グラムを収穫できた。
饒県長は宇宙から帰還した赤キヌアは県の教育発展における重要な象徴だとし、今後は宇宙教育推進の方向性について検討を始めると述べた。


