(台北中央社)交通部(交通省)観光署(観光庁)が15日、発足した。観光局から昇格したもので、周永暉(しゅうえいき)初代署長(長官)はメディアの取材に対し、ターゲットごとにテーマを絞って日本人旅行者誘致を図る考えを示した。
観光署の統計によれば、今年1~7月に訪日した台湾人旅行者数は延べ約222万人なのに対し、同期に訪台した日本人旅行者数は延べ約39万人にとどまっている。
周氏は円安の影響で出国する日本人が少なくなっているとしながらも、日本には修学旅行の需要がある他、鉄道や野鳥などの愛好家が多くいるとして、生活習慣や年齢ごとに文化やグルメなどさまざまなテーマを打ち出して日本人旅行者を呼び込むことができると語った。
また中部や南部を訪れる日本人が少ないことから、台湾鉄路管理局(台鉄)や台湾高速鉄道(高鉄、新幹線)で乗車券を1枚買えばもう1枚プレゼントするキャンペーンの実施を期待すると述べた。
看板除幕式でのあいさつでは、今後は産業界にさらに寄り添い、旅行業界の需要を理解するとした上で、顧問団を設けて定期的に各界からの提言を聞き入れると強調。文化部(文化省)や農業部(農業省)、教育部(教育省)、客家委員会、原住民族委員会などとの協力関係を強化し、スポーツやレジャーの分野などで体験内容をより濃いものにするとの考えを示した。
産官学協力では観光業界の人手不足解消や人材育成のため、インターン生や中高年人材の投入を進め、異なる年齢層のニーズに対応し、国を越えた協力でサービスの質を向上させるとした。
王国材(おうこくざい)交通部長(交通相)は、周氏の手腕に期待をしているとし、2024年には年間訪台旅行者数1200万人を達成してほしいと語った。