(台北中央社)台北市内で路線バス2台が追突し、歩行者の女性が死亡した事故で、台北市政府交通局公共運輸処は18日、両バスを運行する大都会客運と大有巴士の2社に対し、管理責任を十分に果たしていなかったとしてそれぞれ9万台湾元(約43万円)の過料を科したと発表した。
事故は17日午前、同市中正区内の交差点で発生。右折時に前方の横断歩道を通行する歩行者を待つために一時停止していた大都会客運のバスに、大有巴士のバスが追突した。大都会客運のバスが衝撃で前に押し出された際、歩行者の女性がバスの下敷きになり、女性は死亡した。両バスの乗客14人と大都会客運の運転手が軽傷を負った。
警察は同日、過失致死の容疑で両バスの運転手の身柄を台湾台北地方検察署(地検)に送った。地検は同日中に大都会客運の運転手に保釈金10万元(約47万円)、大有巴士の運転手に同30万元(約142万円)での保釈を命じた。
市公共運輸処は、公路法第77条に基づいて2社に対し最高額の過料を科し、賠償責任を確実に果たすよう求めたと説明。原因究明や再発防止策の検討などを進めるようバス会社に求めていくとした。
警察は今のところ、大有巴士の運転手の前方不注意が事故原因だとみている。
同市の市議からは、大有巴士の運転手に勤務時間超過がなかったか調べるべきだとの声が上がっている。この市議は、大有巴士が過去に受けた監査で、運転手の勤務時間超過の項目で複数回減点されていたと指摘した。