(新北、台北中央社)言論の自由を訴えて1989年に焼身自殺した民主運動家、鄭南榕(ていなんよう)氏の追悼式典が7日、北部・新北市内で開かれた。頼清徳(らいせいとく)総統が出席し「国家の生存や発展を継続させ、苦労の末に手に入れた民主主義と自由を守り抜き、さらに国家主権が侵害・併呑(へいどん)されないようにすることが総統としての使命だ」と語った。
頼氏はあいさつで「台湾の民主主義や自由、人権の価値に対する堅持はすでに世界の手本となっている」とした上で、台湾の民主主義と自由は権威主義勢力の挑戦にも直面していると言及。中国からの心理戦やサイバー攻撃などが増加しているとし「台湾の人々から自由を奪うことを唱えたり、中華民国台湾を消し去ることを主張したりするような言論は、台湾社会が受け入れられる“言論の自由”ではない」と述べた。
また、鄭氏が生前に主張を続けた「100%の言論の自由」を引用し、これは「自由を利用して自由を消滅させることではない」と強調した。
この日、夜には台北市内で記念の講座が開かれた。劉世芳(りゅうせいほう)内政部長(内相)が出席し、行政院(内閣)は2016年に鄭氏の命日である4月7日を「言論の自由の日」に制定したと紹介した。