23日は旧暦7月1日に当たり、台湾ではあの世につながる扉「鬼門」が開く日とされている。この世にやってくる霊や魂が驚かされないように南部・嘉義県の宗教施設「新港奉天宮」では前日の22日、鐘や太鼓の使用を一時的に休止し、それらを封印する「封鐘鼓」の儀式が行われた。
新港奉天宮は清朝時代の1811年に建立され、航海の女神「媽祖」を祀っている。
メディアの取材に応じた同宮の何達煌董事長(会長)は封鐘鼓の儀式について、鬼門が開く前日に開催される伝統行事で、すでに数百年の歴史を持つと紹介。「あまねく衆生を苦しみから救いたい」という媽祖の慈悲の心の体現だと説明した。
鬼門は1カ月も開くことから、台湾の旧暦7月は「鬼月」とも呼ばれる。あの世からの無縁仏や先祖の霊をもてなそうと、旧暦7月15日の中元節前後には、各地でさまざまなごちそうを用いた「普度」という伝統行事が行われる。
奉天宮では毎月旧暦1日、14日、15日、月末の朝晩に鐘や太鼓を鳴らす習わしがある。