(台北中央社)パリ五輪のボクシング女子57キロ級に出場し、性別騒動の渦中にある林郁婷に対し、台湾で頼清徳(らいせいとく)総統をはじめ励ましの声が相次いで寄せられた。海外では国際オリンピック委員会(IOC)は出場資格を巡る疑念を一蹴する声明を発表。東京五輪ボクシング女子フェザー級金メダルの入江聖奈さんも「悲しい気持ちになる」との心境を吐露した。
頼総統は2日、フェイスブックで「われわれは彼女(林)と共にあり、固い後ろ盾になる」とエールを送り、声援を呼びかけた。
蔡英文(さいえいぶん)前総統は同日、昨年10月に総統府で林ら杭州アジア大会台湾代表選手団と共に撮影した写真をフェイスブックに投稿。「一緒に林選手を応援しよう。場外の騒動や対戦相手の挑戦を前にしても、林選手は恐れていないと信じている」とつづった。
教育部(教育省)体育署の鄭世忠(ていせいちゅう)署長は7月31日、出場資格に問題はないとの認識を示した他、行政院(内閣)の陳世凱(ちんせいがい)報道官も1日、林の性別について疑う余地はないとコメントしている。
IOCは1日、「全ての人には差別なくスポーツをする権利がある」と声明を発表。バッハ会長も3日までに林らへの批判は「ヘイトスピーチ」だとし「まったく受け入れられない」と不満を表明した。
入江さんは自身のX(旧ツイッター)でパリ五輪のボクサー性別騒動について言及。31日の投稿では、「どこからが女性でどこからが男性なのか、早急に明確な線引きをする必要があるのはもちろんなんだけど、リンさんの鬼のような練習量を知ってる身としては、少し悲しい気持ちになる」とつづった。
(編集:荘麗玲)