台北市の台北ドームで21日から開催中のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)予選で、台湾はスペイン、南アフリカ、ニカラグアが2枠の本戦出場権を懸けて戦っている。
昨年11月に行われたプレミア12で三大国際大会(WBC、五輪、プレミア12)初優勝を飾り、本戦出場に大きな期待が寄せられている台湾代表。2006年に始まったWBCでの活躍の歴史を、中央社の資料写真と共に振り返る。
2006年に行われた第1回大会は、16カ国・地域を4組に分け、組ごとに1次ラウンドが行われた。台湾は東京ドームで行われたA組で、日本、韓国、中国を相手に2枠の2次ラウンド出場権を総当たり戦で争った。
3月3日、WBCの記念すべき初戦として行われた韓国戦では、後に東北楽天に加入する林恩宇投手が先発。この時の1球目として投げられたボールは、米ニューヨークのアメリカ野球殿堂に保存されている。
韓国戦は0-2、続く日本戦は3-14(7回コールド)と連敗。中国には12-3と快勝したものの、1次ラウンド敗退に終わった。
前回大会と同じく、1次ラウンドで日本、韓国、中国を相手に2枠の2次ラウンド出場権を争った台湾。代表メンバー招集の不調が響き、初戦の韓国戦は0-9で完封負けを喫した。
この大会の1次ラウンドでは2敗で敗退が決まる「ダブルイリミネーション方式」が採用されたため、翌日の中国戦は負けられない戦いとなった。だが1-4で負け、初戦から24時間とたたずに帰国が決まってしまった。
この大会から予選が新設された。前大会ベスト12が予選免除とされたため、予選からのスタートとなった台湾。2012年11月に行われた予選でフィリピン、ニュージーランドを相手に全勝し、本戦進出を決めた。
本戦1次ラウンドは中部・台中市の台中インターコンチネンタル野球場で行われ、韓国、オランダ、オーストラリアと2枠の2次ラウンド出場権を争った。オーストラリアに4-1、オランダに8-3で順調に勝利。宿敵・韓国との第3戦は2-3で惜敗するも、初の2次ラウンド進出を決めた。
東京ドームで行われた2次ラウンドの1回戦では、3連覇を狙う日本と対戦。2-0で迎えた八回に1点、九回にさらに1点を許し、延長十回、3-4で惜敗した。翌日の敗者復活戦ではキューバに0-14(7回コールド)と惨敗したものの、WBCで初めてベスト8に入った。台日戦の盛り上がりは、同年11月の台日親善試合開催にもつながった。
同大会では台湾代表は再びメンバーの招集に難航。特に投手の戦力不足が目立ち、1次ラウンド初戦のイスラエル戦では15失点を許した。続くオランダ戦も5-6で負け、この時点で1次ラウンド敗退が決まった。韓国戦は延長に持ち込んだものの、最終的には3点差を付けられ、3連敗で大会を終えた。
新型コロナウイルスの影響で2年後ろ倒しで実施された第5回大会。本戦1次ラウンドから臨んだ台湾は初戦、パナマを相手に5-12で負け、通算7連敗となった。
続くイタリア戦は序盤から点の取り合いが続き、5-7で迎えた六回、当時レッドソックスの張育成が2点本塁打を決め、同点に追い付いた。その後もギリギラウ・コンクアンや王柏融などが点を取り、11-7で勝利した。WBCでの台湾代表の勝利は実に3659日ぶりだった。
その後オランダにも9-5で勝利したものの、キューバに1-7で敗れ、1次ラウンド敗退が決まった。4試合で16打数7安打、2本塁打を記録した張育成は、同ラウンドA組の最優秀選手(MVP)に選ばれた。
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が昨年11月に公表した最新の男子野球世界ランキングで、台湾は2位になった。だが、2026年に行われる第6回WBCに出場するには、間もなく始まる予選を勝ち抜く必要がある。これは第5回大会で台湾が1次ラウンドのA組最下位に終わったためだ。
プレミア12とWBCはいずれもトップレベルの国際大会であるものの、プレミア12は大リーグ選手の出場に制限があることから、WBCがより格上の大会として見なされる傾向にある。そのため台湾代表の活躍を期待する声は大きい。
(編集:田中宏樹)