(花蓮中央社)今年4月に保護されたタイワンオオコウモリ「蝠宝」(フーバオ)が12日、東部・花蓮で野生に返された。農業部(農業省)林業・自然保育署花蓮分署によれば、保護されたタイワンオオコウモリが野生復帰訓練後に放獣されるのは台湾で初めて。
蝠宝は4月20日、花蓮市内で親とはぐれていたところを市民からの通報によって保護された。当時は赤ちゃんで、体重は約80グラムだった。保護当初は発見現場で母親が迎えに来るのを待ったが失敗に終わり、3日後に東部・台東県池上郷の東部野生動物救護センター(救傷中心)に収容された。
花蓮分署は、同センターを運営する台湾野湾野生動物保育協会や台湾コウモリ学会、学者と共に議論、研究を進め、日本の専門家からも助言を得て蝠宝の飼育と野生復帰に関する計画を策定した。
半年にわたる支援の末、蝠宝は重さ307グラムの成獣に成長。放獣の2週間前に花蓮に戻し、広い空間の小屋で野外の環境や昼夜の変化、長距離飛行などに慣れさせた。12日夜に小屋を開放すると、蝠宝は窓から外の世界に飛び立ったという。
蝠宝には発信器を付けており、今後しばらくは追跡調査する。花蓮分署によれば、2日連続で花蓮市内で安全に暮らしていることが確認されたという。