(新竹中央社)台湾政局の未来をテーマにした座談会が25日、北部・新竹市の清華大学で開かれ、同大学で栄誉講座教授を務める小笠原欣幸東京外国語大学名誉教授は今後の台湾政治について、汚職容疑で勾留が続く、第2野党・民衆党主席(党首)の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長を巡る訴訟の行方次第だとの認識を示した。
座談会は栄誉講座教授証書授与式の開催に合わせて行われ、小笠原氏は同大の姚人多副教授と共に登壇した。
小笠原氏は、今年5月に就任した頼清徳(らいせいとく)総統について、世論調査で安定した支持を獲得し続けていると指摘。1月の総統・立法委員(国会議員)選挙で柯氏や民衆党に票を投じた一部の人々が、その後の立法院(国会)の混乱に危機感を感じ、頼総統を支持するかとの問いかけに「支持する」と答えているのではないかと分析した。
また立法院で民衆党が8議席を獲得したことに関しては、日本の政治学者は当初、民衆党がキャスチングボートをうまく握り、与党の民進党と最大野党の国民党が対立して行き詰った際に問題解決を図ると考えていたと解説。だが実際は民衆党と国民党が手を組み、多くの海外の学者が「第三勢力の力が見えない」と認識しているとした。
柯氏については、年末にも起訴される可能性があると台湾メディアが報じているとした上で、日本でも過去に国会議員が「政治とカネ」の問題で起訴されて有罪となっても潔白を訴えて選挙に出馬し、再選を果たしたケースがあることに触れ、柯氏が「潔白を返せ」という言葉を政治や選挙のスローガンにするかどうかに注目したいとした。