双胴カヌー「アリンガノマイス」が20日、太平洋の島国・パラオから台湾に向けて出発する。星の動きや風の向きなどを読んで航海し、5月に東部・台東に到着する予定。乗組員10人の中には、台湾原住民(先住民)族タオ族の男性も含まれている。
台東県政府によると、ミクロネシアボヤージング協会と共同で計画した。計器を使わないで航海する。アリンガノマイスはポリネシアに伝わる航海用カヌーで全長17メートル、甲板の幅は5メートル。20日に行われる出発式にはパラオ大統領が出席する他、台東のアミ族とタオ族の長老たちが航海の無事を祈る儀式を行うという。
アリンガノマイスはフィリピンなどを経由して5月4日に台東県の離島・蘭嶼に到着する予定。タオ族の人々と交流を深め、7日に台湾本島側に向かう。
台東県政府は今回の航海について、オーストロネシア語族の人々が初めて伝統的な方法で台湾に上陸する歴史的な出来事だと強調。台東にとって新たな歴史のページになるとしている。