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人権侵害行われた「不義遺跡」に共通案内板設置 歴史の風化防ぐ/台湾

2024/02/27 18:49
白色テロ景美記念園区(新北市)での「不義遺跡」案内板の除幕式に出席した史哲文化部長(左から4人目)ら
白色テロ景美記念園区(新北市)での「不義遺跡」案内板の除幕式に出席した史哲文化部長(左から4人目)ら

(台北中央社)過去に人権侵害が行われた各地の「不義遺跡」(不正義遺跡)に設置する共通の案内板の除幕式が26日、北部・新北市の白色テロ景美記念園区で行われた。史哲(してつ)文化部長(文化相)は、権威主義時代の不義遺跡を明るみに出し、歴史が忘れ去られないようにしなければならないと述べた。

台湾では、過去の権威主義政権下で大規模な人権侵害が発生した地点を不義遺跡としており、これまでに42カ所が認定されている。案内板は国家人権博物館や2022年に解散した移行期正義促進委員会(促進転型正義委員会)によるデザイン案を基にして初めて設置された。

式典に参加した史氏は、同館の所在地である同園区はかつて取り調べや裁判、勾留、刑の執行が最も集中して行われた場所だとし、この地が不義遺跡として示されるのはより一層の意義があると述べた。その上で案内板の設置は世代間交流の取り組みであり、最も基礎的な仕事だと言及。一丸となって努力し続ける必要性を訴えた。

文化部(文化省)は案内板の設置場所について、市民に見てもらえるよう外壁や歩道など遺跡の外部を選んだと説明。現代の生活空間において人々と権威主義体制の歴史の間における対話を作り出したいと設置の目的を示した。その上で、人権や白色テロの歴史、移行期正義への社会の関心を呼び起こし、より多くの反省や思考、議論をもたらしたいとしている。

1947年に政権が市民を弾圧した「2・28事件」の不義遺跡として認定されている台北市内の行政院(旧台湾省行政長官公署)などの案内板も同日、お披露目された。案内板は今後、高雄市立歴史博物館(南部・高雄市)や白色テロ緑島記念園区(東部・台東県)に設置される他、同部が各県市などに設置を呼び掛けている。

(趙静瑜/編集:田中宏樹)

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