(台北中央社)台北フィルハーモニー管弦楽団(台北愛楽管弦楽団)は、福島県双葉町の東日本大震災・原子力災害伝承館で11日に行われるメモリアルイベントで弦楽四重奏を披露する。同団創設者の頼文福さんは、音楽を通じて台湾の国を越えた友情を福島の人々に感じてもらえればとしている。
同団は過去にも福島でコンサートを行ったことがあり、福島との縁は2011年の東日本大震災にさかのぼる。
中央社のインタビューに応じた頼さんによれば、震災発生後に頼さんと自身が加入するロータリークラブが寄付を募って約1千万台湾元(当時のレートで約2700万円)を福島に提供。これをきっかけに生まれた福島との縁はその後も続き、2017年には現地からの招待を受けて同団のコンサートを福島市で開催した。
▽ 9日には東京・サントリーホールでチャリティーコンサート
同団は福島での演奏を前に、9日には東京都のサントリーホールでチャリティーコンサートを開く。外山雄三さん作曲「バイオリン協奏曲第2番」ではバイオリニストの森下幸路さんと共演する他、台湾の作曲家、鍾耀光さんが台湾で広く信仰される航海の女神、媽祖を題材に作曲した「媽祖伝奇」を初演する。同曲では台湾の伝統的人形劇「布袋戯」(ポテヒ)も併せて上演される。団によれば、サントリーホールで台湾の民間音楽団体が演奏するのは初めてだという。
1985年創立の民間オーケストラ。米国やカナダ、オーストリアのウィーン楽友協会での演奏経験も持つ。