(南投中央社)建設が進められている中部・南投県の鳥嘴潭人工湖で先月中旬ごろ、渡り鳥のアビが初めて観測された。建設計画を担う経済部(経済省)水利署中区水資源分署によれば、台湾北部の海岸や離島ではまれに確認されたことがあったが、内陸部に渡来するのは珍しいという。
アビはユーラシア大陸や北極圏でよく見られる。同署によると、春節(旧正月)期間(今年は先月8~14日)に飛来し、数日間とどまった後、同23日に飛び去ったという。
アビの飛来について、近隣の生涯学習施設で講師を務める沈さんは、鳥類が越冬する際には適した環境を選ぶことを基本原則とするものの、人々が必ずしも鳥類の行為を把握できるわけではないと話す。そのため、アビが飛来した原因をすぐに断定することは難しいとしつつ、鳥嘴潭の水域の広さがその一因になったのではないかとの見解を示した。
鳥嘴潭人工湖は中部・台中市と南投県の県境を流れる烏渓から取水し、中部・彰化県北部や南投県草屯に毎日25万トン、約100万人分の水を供給する。貯水量は1450万トン。年内に人工湖とその周辺の工事が完了する予定。人工湖は6つの区域に分かれ、すでに完成した一部区域では貯水が始まっている。