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総統選/総統選テレビ討論会 対中政策や死刑制度の在り方などで応酬/台湾

2023/12/30 20:22
テレビ討論会に臨む(左から)民進党の頼清徳副総統、国民党の侯友宜新北市長、民衆党の柯文哲前台北市長
テレビ討論会に臨む(左から)民進党の頼清徳副総統、国民党の侯友宜新北市長、民衆党の柯文哲前台北市長

(台北中央社)来年1月13日に投開票される総統選で、与党・民進党の頼清徳(らいせいとく)副総統、最大野党・国民党の侯友宜(こうゆうぎ)新北市長、第2野党、民衆党の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長の総統候補3氏によるテレビ討論会が30日、台北市の公共テレビ(公視)で行われ、それぞれが相手候補からの質問に答えた。

頼氏は、侯氏と柯氏の両岸(台湾と中国)政策に関する主張はいずれも中国が掲げる「一つの中国原則」に基づいた考え方だと指摘し、中華民国は中華人民共和国に隷属するのかと質問。両岸の窓口が1992年に形成したとされる「92年コンセンサス」を支持する侯氏は、中華民国憲法下のものだと説明した上で、頼氏の主張では中国との対話はできないと一蹴した。

台北市長時代の2015年に「両岸は一つの家族」とする立場を表明した柯氏は、中国に対する善意の表れだったとし、善意の上で交流は継続できると述べた。

米国が台湾の独立を支持しないと明言する中で、いかに実務的に台湾独立を推進するのかと柯氏に問われた頼氏は、国を率いて現状を維持し、台湾を守り、両岸を安定させ、インド太平洋地域の平和を促進することが使命だと答えた。

また侯氏が死刑制度の在り方について問うと、頼氏は多くの人が死刑の廃止を望んでいないとした上で、問題の根源に戻って改善を図りたいとし、地方と中央が協力し、社会の力を交えながら存廃の議論をしたいと語った。柯氏は台湾の8割以上の人が死刑に賛同しているとの世論調査結果に触れ、国際的な圧力があった場合には、死刑を終身刑にする折衷案が考えられるとした。

討論会の最後に頼氏は、蔡英文(さいえいぶん)総統は国家の尊厳があり、台湾が中国経済への依存から脱却した時代をつくり上げたと強調。蔡氏の路線を継承して前進すると意欲を示した。

侯氏は、これまで人々は詐欺や汚職、民主主義の後退、両岸の緊張などに直面して苦労をしたと振り返った上で、新たな政治改革を呼び掛けた他、柯氏も重要な役割を果たすことになるだろうと民衆党との連立の可能性を示唆した。

柯氏は自身を選ぶことは台湾社会が望む進歩と正義、公平さを選ぶことだとアピール。あらゆる人々が共生する社会をつくりたいと述べた。

(高華謙、王承中、潘姿羽、頼于榛、呉昇鴻/編集:齊藤啓介)

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