(花蓮中央社)東部・花蓮県の景勝地、タロコ(太魯閣)国家公園で、これまで海抜2千メートル以上の高地に分布するとされていたサンバーが、海抜661メートルの地点で行動しているのが観測された。専門家は、分布範囲が以前と比べて海抜の低い東側に向かって拡散しているとの見方を示している。
内政部(内務省)国家公園署によれば、サンバーは清朝時代に海抜300メートル地点に生息していたが、その後狩猟や生息地の破壊などの影響を受け、現在は渓谷に沿った海抜2千メートル以上の場所で活動しているとみられていた。
サンバーは屏東科技大学(南部・屏東県)が2022年1月から2年かけて行った野生動物の生態観測調査で設置した無人カメラに写っていた。同様の調査は09年以降、今回を含めて3度行っているが、サンバーが撮影されたのは今回が初めて。現地ではふんも見つかった。
今回の調査ではこれまでよりも多くの哺乳動物が観測され、動物の種類も増えたとしている。