(台北中央社)馬英九(ばえいきゅう)前総統が北京で中国の習近平国家主席と会談したのを受け、台湾で対中政策を担当する大陸委員会は10日、中国共産党は会談を通じて「一つの中国」を巡る「92年コンセンサス」や「台湾独立反対」などの主張を大々的に宣伝し、「両岸(台湾と中国)の終局の政治的枠組みを一方的に設定した」と批判した。その上で「台湾の主流の民意はとっくに固く拒否している」と強調した。
馬氏は習氏と北京の人民大会堂で会談した。2015年11月にシンガポールで行われた会談以来、約9年ぶり2度目の対面となった。
大陸委は両岸の平和と安定を維持する政府の政策や立場は一貫しているとし、北京当局に対し、中華民国と両岸が互いに隷属しないという客観的事実を正視し、台湾への圧力や威嚇をやめるよう呼びかけた。
また馬氏に対し、習氏との会談時に中華民国の主権や民主主義・自由体制を守ることへの台湾の人々の堅持を公に伝えなかったことは台湾社会の期待に背いているとし、「深い遺憾」を表明した。