中国、中間線付近の支線航空路を一方的に運用開始 民航局が抗議／台湾

（台北中央社）中国の民間航空当局は19日、台湾海峡の中間線付近に設定している航空路「M503」から福州とアモイにそれぞれ伸びる支線「W122」と「W123」について、東方向の運用を開始したと発表した。交通部（交通省）民用航空局（民航局）は同日、「飛行の安全に著しい影響を及ぼす」として、意思疎通をしていない中国の一方的措置について厳正に抗議した。

中国は2015年にM503と3本の支線航空路（W121、W122、W123）を一方的に設定。支線3路線とM503北方向は運用されていなかったが、今年1月30日にW122とW123について東方向の運用を開始すると一方的に発表した。

民航局は、W122とW123は離島の馬祖や金門それぞれの空港周辺空域との間隔が狭く、一定のリスクがあると指摘した。また今後双方向で運用された場合、航空機の運航や管制作業の複雑さが増し、天候不良や航空機の操縦に異常が起きた際、飛行の安全に関するリスクが大幅に上昇すると危機感をあらわにした。

中国に対しては、国際ルールに基づき関連航空路の使用について速やかに意思疎通を図るよう求めた。双方の関連機関による調整手順を構築し、双方の飛行の安全と正常な航空輸送を確保するよう呼びかけた。

国防部（国防省）も同日、支線航空路は安全な距離が保たれていないとし、潜在的な飛行の安全のリスクがあるとして懸念を表明した。