(台北中央社)蔡英文(さいえいぶん)総統と20日に総統就任を控える頼清徳(らいせいとく)副総統は14日、デンマークで開かれた「コペンハーゲン民主主義サミット」にそれぞれビデオメッセージを寄せた。頼副総統は台湾海峡両岸の現状維持に尽力するとし、前提を設けない中国との対話の可能性を「排除しない」と述べた。
頼副総統は、台湾が権威主義拡張に対する戦いの最前線に位置しており、台湾の民主主義は絶えず外国からの偽情報や軍事的脅威、経済的脅迫などの圧力にさらされていると主張。中国が圧力をかけ続ける中でも台湾の人々は権威主義の受け入れを拒否してきたとし、中国の脅迫は台湾の民主主義と自由を堅持する決意を強めるだけだと語った。
また総統就任後は民主的平和、革新的な繁栄、持続可能な公共の福祉の実現に向けた取り組みをし、引き続き世界の民主主義の価値を守ると説明。国防力と非対称戦力の強化、経済安全保障とサプライチェーン(供給網)の改善、民主主義国家とのパートナー関係構築、安定かつ原則的な両岸のリーダーシップ確立の四つを柱とするとした。
中国との関係については、両岸(台湾と中国)の現状維持に尽力し、相互尊重、相互利益、尊厳の原則を基に、前提を設けずに中国と対話することを排除しないと語った。
蔡総統は、台湾は世界の民主主義国家と利益を分かち合う地域協力を強化する準備ができていると強調。台湾が粘り強く、果敢に中国からの脅威に向き合う中、理念の近い国とのパートナー関係は最も有効な防御措置だと述べた。